エッセイ本

芥川賞を取った黒田夏子さんの”abさんご”が面白そう、と思って
(ミーハーなんだよね)図書館に行く。
残念、まだなかった。


朝井リョウ氏の方のエッセイ「学生時代にやらなくてもいい20のこと」は合ったので、借りて読む。

まさに大学生の書いた文という感じで、
ところどころ言葉遣いがインターネットっぽくて、
若者にうけそうだが、私はあんまり好みではなかった。

女性のエッセイは三浦しをんみたいに面白系がいいんだけど、
男性のエッセイはゆるい方が好きだなあ。
口直しに村上春樹のエッセイ「おおきなかぶ、むずかしいアボカド」を借りた。
そっちの方を先に読み終わってしまう。

でも朝井氏のエッセイは若者ならではの面白い話に満ちています。

面白かったエピソードは、彼がバイトのお昼休みに
麻布十番のマックで読書をしていたら、
上はジャケットを着ているのに、下半身は何故か黒タイツの
おじさんにしつこく絡まれ(人がいいので一応話を合わせる)、
この人一体誰なんだと思っていたら、
某有名テレビ局の会長の名刺を出して来たから、びっくり。

、、、したのもつかの間、「この会長はいい人だったよ。」
って結局あんた誰なんだ、というエピソード。

私もたまーに謎の人間に絡まれる。

世の中、そういう宿命の人がいるのかな。

先日のブログに
「何故、朝井氏は文系、おたく、体育会系、女子、いろんなジャンルの人の細かい感情の機微が分かるのか」と言うようなことを書いたけど、結論から言うと、要するに、根が文系だけど体育会系の部活で頑張ってた人だから両方の気持ちが分かるみたいですね。

例えるなら、オカマが男性女性、両方(さらにオカマの気持ちも分かるから計3つ)の気持ちわかるみたいな。いやべつにこの人はオカマではないけど。(でも所々女性口調なので若干怪しくはある)


ちなみに春樹の方のゆるエピソード満載のエッセイで好きなのは、こういうの。
「奥さんが揚げ物や鍋を作らない主義なので、そういったものは奥さんの外出中に一人で作って食べる。でもすき焼きをもくもくと一人でつつくのはなんだかさみしいので『そっちお肉もういいみたいだよ』とか『焼き豆腐を足さなくちゃね』とか一人でつぶやきながら食べている」という若干切ない箇所。

ゆるエッセイの安心するところは、押し付けがましくなく、
テンションが一定なところ。
昼下がりに一緒にお茶を飲みながら話を聞いてる感じがする。
聞いてとくに何の得もないゆる〜い話が好き。