電気の調査

家でぼーっとしてたら、

ピンポーンと

ドアのチャイムがなった。

 

インターホンで用件を聞く。

「電気の調査でブレーカーのチェックに来た」らしい。

それっぽい作業着を着ているが、知らないおじさんだからちょっと警戒する。

 

でもまあ、大丈夫っぽいのでドアを開ける。

すると怪しいのは自分だった。

 

例のお笑い芸人みたいな鳥のタイツに

パステルカラーのよれよれ猫耳のパーカーですっぴん。

 

うっ、、、しまった。

これは人前に出て良い格好じゃなかった、、、。

しかもあいにく今日は鳥の顔が尻側に来るように履いていた。

(前でも後ろでも不審度は変わらないけど、、、)

要するに、私がくるりと後ろを向けば、

目をらんらんと輝かせた極楽鳥のような鳥とばっちり目が合う構図だ。

 

 

隠れたくて急に挙動不審になるが、

おじさんにはとにかく背後に立たれないようにするしかない。

 

しかしブレーカーのチェックのみならず(二、三分で終わった)、

洗濯機のアースも見せろという。

 

私は無表情のままカニ歩きだ、、、。

 

おじさんは「自分が怪しまれている」と思ったのか、

「そんなに怪しいもんじゃないですから」みたいなフォローを

笑顔で入れて来るが、いや、問題はそこじゃないんだ、、、。

 

でもまあああいう訪問の仕事の人って、

自分の中で「住人の衝撃の室内着ベスト10」とかあるんだろうな。

そしていつも仕事柄ノーコメントなんだろうな。

私みたいな「何それ」みたいなのがすぐ顔に出る人間には向かない職業だな、、、。