ピノキオ

前々から気になっていた本をついに買って読んだ。

フランスの漫画版、ピノキオ。(winshluss著)

 

何で買うか迷っていたかと言うと、

漫画にしちゃ高いわ(三千円)、分厚いわ、でかいわ、重いわ、、、(タウンページ並み)

しかも内容が不道徳そうで、読んだ事を後悔するかもしれないな、と思って。

 

なんせ帯のキャッチコピーが

「キモカワイイ!コワカワイイ!エロカワイイ!グロカワイイ!」だもん。

内容をチラ見したいが、そこはやはりきっちりラッピングされていて

全く覗ける気配がない。

 

でも国際漫画賞で最優秀作品賞は取っているのですよ。

本自体も小学館集英社プロダクションってとこから出版されてるし。

 

吉と出るか凶と出るか微妙なこの漫画、

誰かが持っていたら借りたいけど、

残念ながら誰も持ってなさそうだし、

図書館もこんなの置くとは思えないしなあ〜

 

と、どっかから借りて来る手段はなかろうな、

とあきらめついに今回、購入を決意。

 

二日かけてじっくり読みました。

堪能、、、したと言ってよいのかな。

 

いやーフルカラーで全ページくまなく、ひどい。

 

皆の知る所のコッローディの原作からはかなり変更されていて、

例えばピノキオは感情の無い大量破壊ロボットです。

本来ピノキオに良きアドバイスをする筈の善良なコオロギ、

ジミニーは、そのピノキオの脳内に寄生する芸術家気取りのゴキブリ。

(帯にそう書かれているけど、ちょっと大げさに書いているのかな、と思ってたら、

ガチでした。)

 

登場人物が全員救いようのない強欲なろくでなしで(森の小動物達でさえ!)、

読んでいて、なんだろう、、、悲しいような、なんとも言えない気持ちになります。

 

 

荒み切っていて希望のかけらもないんだけど、

「そんで、どうなるんだよお。。。」と

ラスト、どう持って行くのかハラハラする。

 

原作者、コッローディはどう思うだろうか。

ディズニーランドにこの本持って行ったら

「こんなのはピノキオじゃありませんよ」と、

カストーディアル(掃除の人)ににこにこ消却処分されそうだ。

 

フランスの漫画って、、、ワンピースやNARUTOと違いすぎるなあ。

こりゃー子供に与えちゃいかん有害図書だわ。

日本の漫画で例えたらアシュラや銭ゲバ並みの陰惨さ。

世界が暗澹としている、、、、。

 

これを最後まで描き切った作者の執念、妄念はすごいね。

感心。話してみたい。面白い人な気がする、、、。

まあ惨たらしいシーン描きながら爆笑してたんじゃないかと推察するけど。

作者は今はアニメを作っているらしい。

 

人におすすめはし難い作品だけど、

しばらくは持ってると思うので

貸すならできます、、、

興味のある人はどうぞ、、、。