空港警察

羽田空港の空港警察に初めて行って来た。
毎度恒例の落し物回収だ。

今回の夏の帰省時に無くしたのは、黒い日傘だった。
さあこれから九州に向かうぞ、
という初日にやらかしてしまったのであった。

身分証明できる物と、
印鑑など持っていかねばならず、
通常の駅の落し物と違って、かなり厳重だ。
別に「日傘に見せかけたテロ用の銃」とかじゃないんだけどなあ。

羽田空港まで着き、
交番のおまわりさんに空港警察の道順を聞いたら、
「あー行って、こー行って、で、遺失物は受付でこう言って」
とテキパキ教えられる。

しかし、人通りの少ない空港警察まで歩く道すがら、
「ん?空港警察の場所しか聞いてないのに、何故遺失物だと
確信を持ってるのだろう...読心術??」とふと思い、
「やはり毎日いろんな人間の相手をしていると
顔見ただけで、落し物しょっちゅうする人間と、
そうでない人間と見分けがつくようになるのか...」と結論づける。
(まあ、ここで空港警察聞くのって十中八九遺失物が理由なのか。)

書類に住所や電話番号など記入して、
京都で買った黒い日傘と久々の対面。

直後に笑ってしまった理由は、
今まで散々電話越しで担当者に
「刺繍はありますか?」
「いや、ないです、無地です」
と自信満々で答えていたのに、
よく見たら、めっちゃでかい刺繍入ってる(笑)

半年以上使ってたけど、
黒地の本体に黒い刺繍が入っていたなんて、
今まで全く気付いていなかった...。
まあ、人間の記憶力なんてこんなもんだなあ。

しかし、担当のおじさんも、
堂々と「刺繍は無い」と言われたら、
その傘見ながら
「うーん、でも他の要素は合ってるしなあ」と
情状酌量してくれたのね。

遺失物のおじさん達は常にいろんな人の記憶違いと
向き合ってるのだろうなあ。

以前、携帯電話を落とした時もこのような事が。
(携帯はおそらく私の遺失物ワースト1)
「クマのストラップがついてるんですけど」
「サルならあるんだけどなあ」←ディズニーランドのダッフィーが
おじさんにとっては「サル」だったらしい。

「白地に花柄の携帯電話なんですけど」
「ピンクのなら届いてるけど」←裏側がピンクだった。

遺失物を取り返す時、
電話口で告げる特徴として大事なのは、
自分にとってどう見えるかじゃ無く、
「遺失物担当のおじさんにとってどう見えるか」なのだね。

いつもなんとか取り返す遺失物達だが、
今回、帰りの新幹線でベルト(ゴムで出来た太い奴)を
無くしてしまった。
品川で降りる直前に席で外したのを覚えていたから、
「確実に戻ってくるだろう」とタカをくくっていたら、
これがなかなか出てこない。

ベルトも、何か別の言い方をしたら返ってくるだろうか...
と考えているが、他の言い方が思いつかない。