思いがけず

ずっと欲しかった物が手に入り、
しばらく信じられず、
自室で某然とする。

そう言う時って、
自分はこういう反応をするのか...と思った。

「嘘だ...あり得ない」と呟きつつ、
一時間ぐらい部屋の隅っこでボロボロ泣いてしまった。

こういう時一体、どういうのが正しい反応なんだ?

一日経って、
冷静になったところでやっと封を開ける。

序文を、いつもより時間をかけて読む。
360度、イメージしながら
1ページをゆっくりゆっくり読む。


猛スピードで駆け抜けるんじゃなくて、
腹這いになり匍匐前進で進むイメージ。



*屋根裏と地下室の話*

屋根裏と地下室には、
1人ずつしか入れない。


2人同時には、入れない。

そこにはいろんな物があるが、
整理整頓されておらず、
一見すると何がどこにあるか全くわからない。
光も当たらず、埃っぽい。

 

生活に必要な物は一階にあるから、
屋根裏にも地下室にも行かない人間が大半だ。
ぱっと見物置だし、
行かなくったって死なないし、
ないならないでいいのである。多分。


でも、
屋根裏と地下室でしか作れない物があり、
私はそれが見たい。
それしか価値がない。
それしか向こうに持っていけない。

一階がなければ
屋根裏も地下室も存在しない事は、
知っているし、

一階も楽しいのかもしれないけど、

一階に全く興味はない。

柳美里著

「まちあわせ」の表紙にイラストが使われました。

(発売:2016.11.8)

 

よろしくお願い致します!