悪夢

久々に悪夢を見た。

まさにnightmare before chiristmas!

 

夢の中で漫画を読んでいるのだが、
現実世界では知らない漫画。

主人公はうさぎの女の子(vampire_bunnyらしい)。
舞台は戦時中の病院らしい。

患者は大人の人間ばかりだけど、
包帯ぐるぐるの男の子がいて、
子供は自分たちだけなので、
仲良くなる。

男の子は神経ガスの影響だかなんだかよくわからないが、
膝から骨が出ていて、さらに骨に穴が空いている。
割と可愛い絵柄の漫画なのだが、
そういう部分は線画ながら妙にリアルでグロい。

男の子は、大人達にもうさぎの子にも、
最初気丈ににこにこと振る舞っているのだが、
骨はどんどん見えて来て、虫なんかも寄ってくる。

賢くて優しいその子は、
自分の病状は結構深刻だし、
ただでさえ食料は少ないのだから、
自分の分の食事を他の人に回した方が
いいんじゃないかと考える。

でも、次の食事を断るという事は、
その次も更に次も断ると言う事で、
それはつまり次の食事をどうするかで、
もう生きるか死ぬか決めるという意味だ。

その選択を知りたくない私は
そこまで読んで、その怖い漫画を放り投げた。

外の世界は日射しが眩しく、

どうやら子供の頃の夏のようだ。

子供の私はお母さんに話しかける
「キウイがいっぱいうちにあったでしょう。
あれ、どこのキウイだったの」
母は
「キウイはたくさんあるから、踊りながら捨ててもまだあるよ
(意味わからない)」と言う。

子供の頃、うちにたくさんキウイがあって、
それを使って大きな鍋で作るキウイジャムが好きだった。
単品で食べるくらい。

なんか漫画の暗さと、
一点平和な世界と太陽の眩しい感じ、
コントラストにハッとして目が覚める。
コマ割りも細かく思い出せる。穴の空いた骨も。

まだ朝日は上がっていなくて、
なんだか戦争の残酷さが急に恐ろしくなる。
眠れなくなって布団の中で考えた。

戦争をしていない時代に産まれただけで、
なんて幸せなんだろう。
皆それぞれ細かい幸不幸を抱えているけど、
戦時中じゃないだけで、
それだけでもうめちゃくちゃラッキーだなあと思う。

こないだ、うちでたまたま
キューブリックの「フルメタルジャケット」を見てたら、
最初の方で、延々教官の罵声が浴びせられるのが、
耐えきれなくなって途中で止めてしまった。

以前は、そういう戦争映画とかって
「自分とは別世界の人々のショー」
と半ば客観的に見ている節があったが、
最近は「自分と同じ、思考も痛みもあり、
ご飯も食べて眠りもする人間が、突然殺し殺される世界に
身をおくって...そりゃあ耐えられないだろう」
とリアルに感情移入するようになった。

あの漫画の、ページをめくったら
男の子が「食べない」を選択してそうで怖かったんだけど、
よく考えたら、漫画なんだからなんらかの展開があるはずだ。

うさぎの女の子が男の子に、
「あんたがご飯食べなくて他の誰かが助かる、
世界が良くなるって保証はどこにもないよ!
あんたが食べることで、
どっかの誰かが嫌味を言うかもしれないけど、
あたしだけは絶対言わないから、さっさと食べなさい。」
って言ってくれたらいいなあ、
いや、多分そう言うはずだな、と思って、
もう一回眠った。