夏、読書

晩御飯にカレーを食べていたら、
急にエラリー・クイーンの
推理小説が読みたくなってきた。

夏はなんだかダークな名作小説が読みたくなるなあ。

近所のBOOKOFFの閉店時間まであと30分。
あれだけメジャーな本だ。おそらくあるだろう。

食べかけの食卓をそのままに、
皮のサンダルをつっかけて徒歩3分くらいの場所にある
小規模な中古書店に向かう。

ついでになんだか悲惨らしい、
浅野いにおのおやすみプンプンのラストも立ち読みしておこう...
と思ったけどそっちはなかった。
ちょっと前まで人気だったはずなのに、
流行りはころころ変わるなあ。
局地的人気の清野とおるの赤羽の漫画は、勿論ない。


高校生の時読んでた、京極夏彦の「魍魎の箱」があった。
懐かしい。手に取る。

16歳の時、初めての海外旅行でありホームステイである、
ニュージーランドでこれを読んでいた。

ステイ先のお母さんが、天気の良い休日、
「今日はとっても天気がいいわ。真理子も皆と一緒にテラスで日向ぼっこしましょうよ」と私を誘う。

断る術を知らない私は、一応参加してはいたが、
この表紙から明らかに薄気味悪く、
タウンページ並みに超分厚い、
妖怪推理小説を小脇に携えていた。

完全に日陰の人間...。


更に痛いことに当時マイブームだった悪魔の角が生えた帽子を被っていた。

16歳だったので許して下さい。


思いつきで来たブックオフだが、

スティーブン・キングのランゴリアーズも、
レイモンド・カーヴァーの短編集も100円コーナーだったので

手元にガシガシ積み上げた。


家に帰って、面白かったのは、
エミリ・ブロンテの"嵐が丘"(ブロンテ三姉妹の本をいい加減に読んでおこうと思った)の中に挟まれていた紙片。
開いたら、はらっと1994年の名刺サイズカレンダーが挟まれていた。
scotia bankと書かれている。聞いた事無い。早速調べる。

ほほう。カナダの銀行でした。


21年前、どんな人物が人物がこの本を読んでいたんだろう。
俄然興味をそっちに持って行かれる。

そんなちょっとしたストーリーがあるので、
古本屋で本を買うのも結構好きだ。

あ、ちなみにエラリー・クイーンもちゃんとあったので、
今枕元に全て平積み。全体的にぶ厚い本ばっか。

 

読んでいると予想外に面白いのはレイモンド・カーヴァーだ。

("carver's dozen"。)

春樹の脚注が巧いよね。あるとないとで大分違う。

関連でチェーホフにも興味が湧いて来た...。